2008年03月06日

映画「明日への遺言」を鑑賞

 人気ブログランキングへ

3月1日に公開された、藤田まこと主演の映画「明日への遺言」を観てきた。この映画は大岡昇平が著した「ながい旅」を映画化したものだ。

この映画は、大東亜戦争末期、中京地区を無差別爆撃したB29の搭乗員を処刑した罪に問われ、B級戦犯として絞首刑となった岡田資中将(藤田まこと)の「法戦」を描いている。

まずスクリーンに現れるのは「ロンドン空襲」「ベルリン空襲」「重慶空襲」「広島・長崎の原爆」「東京大空襲」などの一般市民の殺戮を目的とした無差別爆撃。軍事施設以外の爆撃は国際法で禁止されているが守られてはいない。映画の90%は法廷でのやり取り。岡田中将は米軍の無差別爆撃の非を訴え、米軍搭乗員を処刑した部下を助けるために責任を一人で負い、法戦を戦い抜く。傍聴席には妻、息子などの家族が法廷を見守る。そして死刑判決が下り「すべての責任は私にある」「本望である」との言葉を残して死刑台に上っていく。

A級戦犯(平和に対する罪)を裁いた極東国際軍事裁判。シンガポールやマニラなど世界49か所で裁いたB級(通常の戦争犯罪)、C級(人道に対する罪)裁判。これらの裁判で1000人以上が死刑判決を受けたとされている。

これら戦争犯罪人を裁いた軍事裁判は、勝者が敗者を裁いた不公正な裁判と言わざるを得ない。もし公正であるとするならば、原爆投下や東京大空襲等の無差別爆撃を行った者も戦争犯罪人として裁かれなければならないが、裁かれた形跡はない。

戦争経験者が減り、戦争の記憶が薄れていく今、日本人ならぜひ見ておきたい映画だと私は思う。

 人気ブログランキングへ

  

Posted by takatsuki_life at 22:04Comments(2)TrackBack(0)clip!ちょっと一息