2006年03月11日

高齢者虐待防止・介護支援法が成立

近年、高齢者を介護する家庭や施設で、高齢者に対して暴力をふるったり、
放置したりする虐待が深刻化しています。
こうした虐待の防止と介護者支援の両面を盛り込んだ「高齢者虐待防止・介護者支援法」が昨年秋成立しました。同法では、保護対象を65歳以上の高齢者としたうえで、「高齢者虐待」を「家庭での介護者または施設従事者などによる虐待」と定義しています。

虐待行為については次の5つの行為をあげています。
〔1〕身体的虐待(暴行)
〔2〕介護を著しく怠る(ネグレクト)
〔3〕心理的虐待(心理的外傷を与えるような言動)
〔4〕性的虐待
〔5〕経済的虐待

虐待は密室での行為になりがちですが、虐待を受けていると思われる高齢者を発見し、生命または身体に重大な危険が生じている場合には市町村への通報を
義務付けました。それ以外、通報は努力義務とされています。施設での虐待についての通報は内部告発のような形になるため、通報した職員がそれを理由に解雇されるなどの不利益が生じないようにする規定も盛り込まれています。
通報を受けた市町村には家庭への立ち入り調査や高齢者の施設移送といった
強制的な権限の行使を認め、家庭が立ち入り調査を拒否すると、30万円以下の罰金が科せられます。
また、調査などで手に余るような場合、警察に協力要請することができます。
一方、介護による疲労やストレスなどで虐待の加害者となりやすい家族への
支援も盛り込みました。
介護者の負担軽減措置として、市町村は高齢者が短期的介護を受けるために
必要な居室、または病室を確保することも定めています。

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