昭和天皇の靖国神社発言（メモ）に思う

松岡洋右外相及び白鳥敏夫駐イタリア大使が靖国神社に合祀されたことに関して昭和天皇が強い不快感を示されたというご発言のメモが見つかった。松岡外相と白鳥大使は日独伊三国軍事同盟を推進し、日米戦争の直接的な原因を作った張本人だとされる。昭和天皇は英国に周遊されたこともあり、英国に対する親近感とヒトラーに対する疑念を持たれており、三国同盟には反対の立場だったようだ。そして昭和天皇はＡ級戦犯たる両人が靖国神社に合祀されてからは、一度も靖国神社に参拝されていないという。

この昭和天皇のご発言メモに対してマスコミは「昭和天皇はＡ級戦犯が合祀されているから靖国神社に参拝されていない」と報道しているが、これは昭和天皇の真意を報道していないと思う。正確に報道するならば「昭和天皇は松岡外相と白鳥大使が合祀されているから靖国神社に参拝されなくなった」であろう。つまり、両人がＡ級戦犯であろうとなかろうと、昭和天皇は三国同盟を進めた両人に対して不快感をお持ちなわけで、たまたま両人がＡ級戦犯だったに過ぎない。これをもって「昭和天皇はＡ級戦犯が合祀されているから靖国神社に参拝されていない」と報道することは事実を歪曲し拡大解釈しているような気がする。

なぜ昭和天皇は東条首相等他の合祀者に不快感を示さなかったのだろうか？恐らく昭和天皇もＡ級戦犯の中でも不快感を持つ者の場合とそうでない場合があるのだと思う。昭和６３年４月に行われた記者会見の際、「戦争に進んだ最大の原因は？」との質問に対し「人物の批判になりますから」とお答えにならなかったそうだ。昭和天皇は一貫して公式の場では、自らの発言が政治的に影響を与えないように配慮しておられたことが伺える。ただ筆者が残念に思うのは、三国同盟に反対だった昭和天皇がその意思を公にすれば、「政治的影響」を及ぼし戦争は避けられたかもしれない・・・ということだ。そして昭和天皇が政治的影響力を行使した発言をされたのは紛れもなく終戦の決意に他ならない。天皇の政治的影響力の行使とは難しいものなのだろう。

さて、この度のメモがなぜ今発見され公表されたか疑問な点もあるが、今後の政局、靖国問題、外交問題の推移を見守りたい。

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Comments

こんにちは。明治天皇は大室寅之助との説いかがお考えですか？多分成りすましでしょ。現在の皇室はDNA鑑定が必要です。当然比較するためには天皇陵の発掘も必要となる。万世一系出なければあんなものは即廃止。現代社会は根拠のないものは信じません。

Posted by 叶兄弟 at 2006年08月04日 18:23