新築住宅の開発業者等には平成21年半ば頃より、瑕疵の補償に充てる資金の供託や保険への加入が義務付けられることになりそうだ。
現在、新築住宅の売り主は10年間の瑕疵担保保証責任を負っているが、売り主が破産してしまうと、買い主は十分な補償を受けることができない。そこで、欠陥住宅の売り主が倒産した場合でも、被害者が供託金や保険金で建物の補修等を行えるようにするための法案(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律案)が検討されている。この法案は今月6日に閣議決定し、今国会に提出される見通し。(概要は次のとおり)
・新築住宅の建設や分譲等を行う建設業者・宅建業者に、
供給戸数に応じた「住宅瑕疵担保保証金」の供託を
義務づける。供託金の算定基準は政令で定める。
(供託金は供給戸数が多いと割安になる。
供給戸数千戸程度で2億円弱の見込み。)
・業者は供託の代わりに、「住宅瑕疵担保責任保険」を
掛けてもよい。(保険料は1戸当たり数万円の見込み。)
なお、耐震偽装のような重過失(保険対象外)に備えて
「被害者救済基金」も創設する。
・業者は半年ごとに、新築住宅の供給戸数と供託・保険の
状況を免許権者に届出なければならない。届出のないま
ま50日を経過した業者に対しては、「業務制限」を適用
し、売買契約や請負契約を締結できなくする。これに違反
したら1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金。
・「住宅瑕疵担保責任保険」を行う法人の指定は、法律の
公布から1年以内。保証金の供託や罰則規定等は公布
から2年6か月以内に施行する。
<関連情報>−−−−−−−
「建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律」(昨年12月20日施行)により、宅地建物の売買・交換時は重要事項説明事項として、「瑕疵担保責任の履行に関する措置を講ずるか否か」および「措置の内容」を説明しなければならない(賃貸借は対象外)。