◆児童扶養手当の受給者数が過去最多に
厚生労働省がまとめた「母子家庭白書」によれば、母子家庭の生活を支援するための児童扶養手当の受給者数が今年2月末時点の概数で98万7,000人となり、2006年度は過去最高になる見通しであることが明らかになりました。
年間の離婚件数が1999年から2006年にかけて約25万件以上と高水準となり、母子家庭が増えたためとみられます。
◆児童扶養手当は削減へ
現在、児童扶養手当は母子家庭の母親や養育者に対して月額4万円強支給されていますが、政府は、母親の就労と自立を促すため、2008年4月から、5年を超える受給者の手当を最高で半分減額する方針を決定しています。
政府は、減額に備えて母子家庭の就労支援を強化しています。今回の白書では、2006年度の母子家庭の母親へのハローワークの照会件数が29万5,000件となり、前年度の1.1倍、2003年度の1.5倍に増加したとされています。また、就職も7万3,000件と前年度の1.1倍、2003年度の1.4倍になったと強調しています。
◆母子家庭に対する就業支援策
政府による主な就業支援策(いずれも平成15年度に創設)は、以下の通りです。
1.母子家庭等就業・自立支援センター事業[実施主体:都道府県、政令指定都市、中核市]
母子家庭の母親等に対して、就業相談や就業支援講習会の実施、就業情報の提供など一貫した就業支援サービスや養育費の相談など生活支援サービスを提供
2.自立支援教育訓練給付金事業[実施主体:都道府県、市、福祉事務所設置町村]
地方公共団体が指定する教育訓練講座を受講した母子家庭の母に対して、講座終了後に受講料の一部を支給→受講料の4割相当額(上限20万円、下限8,000円)
3.常用雇用転換奨励金事業[実施主体:都道府県、市、福祉事務所設置町村]
パートタイムで雇用している母子家庭の母を、OJT実施後、常用雇用労働者に雇用転換した事業主に対して奨励金を支給→1人当たり30万円