2007年10月28日

4分野を1分野に統括する「社会保障カード」

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◆様々な履歴を一元管理

厚生労働省は、社会保障の履歴を一元管理する「社会保障カード」の導入を議論する有識者検討会の初会合を開き、年金・医療・介護・雇用の4つの制度の被保険者証を1枚のICカードに統一することで合意しました。将来は健康診断の結果などの医療情報も閲覧できるようにすることでも合意しています。この社会保障カードは、2011年度をメドに導入される予定です。

 

◆年金・医療・介護・雇用の4分野

これまで、社会保障カードでどの制度の情報を一元管理するかがあいまいでした。会合では、まず年金・医療・介護・雇用の4分野を管理対象にする方針を確認しました。

社会保障カードは原則国民1人に1枚発行し、年金手帳や健康保険証、介護保険証などの役割を兼ねます。これまで何種類もの証書が必要だったところ、1枚のICカードを持ち運ぶだけでよくなりますから、便利になります。また、パソコンで年金の加入履歴などを確認できるようになるため、公的年金の納付記録漏れなどの不祥事が起きても、加入者が自ら発見できるようになります。

また、将来はICカードで自分の医療情報を見られるようにするなど、柔軟な制度設計にすることとなっています。

 

◆今後の焦点は?

今後の焦点は、4つの社会保障制度が個人にそれぞれ割り当てている番号の統一の問題です。基礎年金番号や住民票コードを使う案、新しい番号で統一する案が浮上していますが、会合では意見がまとまりませんでした。番号を統一せず、1枚のICカードに4つの個人番号を併記する案も出ています。

また、雇用保険が被保険者資格の管理に氏名・生年月日・性別を使っているのに対し、年金ではこれに住所も加えるなど、制度によって必要な管理情報が異なっています。これをどう統一するかも課題となります。

さらに、セキュリティー面の問題もあります。情報管理が甘いと、膨大な情報が一気に流出する危険があります。この点については、内閣官房情報セキュリティーセンターと協力し、セキュリティーを強化するとのことです。

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